自立した生活に向けて

自立生活を行うために就労支援関係や経済的な基盤は、非常に重要となります。
そのほか利用できる資源としては、入所型の施設があります。

当院で支援することが多い対象は、これまで両親や家族と生活していたその環境自体が、
疾患に影響を及ぼしてしまっているケースです。
もちろん、関係が良くても自立を目標としている方の支援もしています。
家族の影響というのは、非常に強いもので家族の一言が病状を改善させたり、
悪化させたりしているケースも多くみられます。
また、疾患に対して家族の無理解や過干渉など家族自身も本人とどう向き合えばよいかわからず
適当な距離を保つことができないケースもあります。
このような問題を解決するために情報提供する資源は以下のとおりです。

精神障害者生活支援センター
地域で生活する精神障害者の日常生活の支援や日常生活に必要な情報の提供を行っています。
横浜市内にある生活支援センターは、開館時間は9~21時でその間は簡単な登録のみ行えば
いつでも利用が可能となります。
日中活動の場としても利用できますが、特にプログラムが用意されているわけではないため、
本人の好きな時間に利用することができ、家族との距離をとるためや夕食の提供、入浴サービスもあり本人、
家族ともに休息をとることができます。

精神障害者生活訓練施設
精神障害者が家庭内での日常生活を営むうえで支障がある部分を訓練する施設です。
低額な料金で居室や設備を利用し、生活に必要な訓練や指摘をうけると社会復帰の促進を促す施設。
訓練内容は、通院・服薬管理、対人関係、掃除・洗濯、金銭管理、余暇活動、就労訓練等生活全般に及びます。

精神障害者短期入所事業(ショートステイ)
精神障害者の介護等をしている者が、疾病やその他の理由により一時的に介護等をすることが
困難となった場合に短期間利用することができる施設。
これにより介護等を行っている者が精神障害者の介護等を行いやすくすることが目的となっています。
このような利用の仕方以外には、やはり家族との距離を保つためということがあります。
特に横浜市の施設では、ショートステイ利用の登録を行うと月に一度、最長7日間は利用することができます。
これにより特に介護者の理由は関係なく定期的な利用ができ、家族間の調整を行うことができます。

精神障害者地域生活援助事業(グループホーム)
地域において日常生活を支援することで精神障害者の自立生活を支援することが目的となる事業です。
対象者は、日常生活に支援を必要としているがある程度の自活能力があり、共同生活が送れ、
日常生活を維持できる収入のある精神障害者です。
横浜市のほとんどのグループホームでは、日中活動をしている、通院・服薬の自己管理ができると
いうことが条件に入っています。

現在、少しずつですがグループホームは増えており、今後の精神障害者にとっては
自立生活がしやすくなるかもしれません。
しかし、グループホームに入居できたから終わりではなく、その先に就労や結婚し家族を持つなど
生きがいといえるものを手に入れる目標を本人が考えられるように支援をしていく必要があると考えます。
また、グループホームは利用期間が定められていないため、利用者の高齢化も問題となるでしょう。

グループホームは地域住民のそばで生活し、より社会参加や地域での交流が行いやすいため、
支援の仕方によっていろいろな効果が考えられます。